【解説】研究論文におけるIMRaDの長所と短所


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研究論文におけるIMRaDの長所と短所

 IMRaDは、研究論文でよく使われるフォーマットです。簡単に言うと、IMRaDは「Introduction(序論)」「Methods(方法)」「Results(結果)」「Discussion(考察)」の頭文字をとったものです。このフォーマットには多くの利点がありますが、考慮すべき欠点もあります。このブログでは、研究論文でIMRaDを使用するメリットとデメリットについて説明します。


 IMRaDの詳細については、以下の私の論文もお読みください。

  • 京極真:IMRaDと効率的な執筆順.作業療法ジャーナル 56(12), 1264-1268, 2022
  • 京極真:IMRaDを使った「方法」の書き方のコツ.作業療法ジャーナル 56(13), 1356-1361, 2022
  • 京極真:IMRaDを使った「結果」の書き方のコツ(作業療法ジャーナル 57(1), 64-68, 2023
  • 京極真:IMRaDを使った「考察」の書き方のコツ(2023年1月13日現在、印刷中)
  • 京極真:IMRaDを使った「序論」の書き方のコツ(2023年1月13日現在、校正中)

 また、以下のブログ記事でもIMRaDについて包括的に解説しております。こちらもあわせてご覧になってください。

研究論文におけるIMRaDの長所

 IMRaDの主な利点は、論理的な流れに沿い、編集者や査読者を含む読者が研究論文を読み進めるのが容易になることです。人口に膾炙しているため、これを利用することで、査読者や編集者は研究論文を査読しやすくなります。また、一般の読者にとっても読みやすく、理解しやすい研究論文にすることができます。


 もう一つの利点は、このフォーマットによって研究内容を整理しやすくなることです。各セクションごとに書くべきポイントがある程度決まっています。つまり、各セクションが特定の目的を果たすため、文章に一貫性を持たせやすくなります。また、各セクションとそれに連なるサブセクション(見出し)を設けることで、著者は関連情報を配置しやすいし、読者は関連情報を容易に見つけることができます。

研究論文におけるIMRaDの欠点

 一方、IMRaDには欠点もあります。これは、型が決まっているぶん柔軟性に欠けますので、ある種の研究を適切に表現することが難しい場合があります。例えば、質的研究は、IMRaDにはうまく当てはまらず、結果と考察をまとめて書くことがあります。また、理論研究もこの形式とは異なる形式が必要になる場合があります。そのような場合、研究者は執筆時に混乱する可能性があります。

まとめ

 IMRaDには利点がある一方で、欠点もあります。これは、論理的な流れや構成が整っているため、多くの研究者が採用している形式であり、たいていの研究論文に適しています。しかし、一部の研究では当てはまらない場合があるので、研究者はそうしたケースがあることを認識し、自分の研究に合わせて適切に調整する必要があるでしょう。

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