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「研究テーマがなかなか決まらない」「自分らしい独創的なアイデアを見つけたい」――大学院生や研究者なら、そんな悩みを抱えた経験があるのではないでしょうか。とくに修士・博士課程の研究では、新規性やオリジナリティが重視されるため、テーマ選びで迷うのも無理はありません。
そこで活用したいのが、ブレインストーミングです。アイデアを拡げ、そこから筋の良いものを絞り込んでいく手法です。本記事では、その具体的な進め方と研究テーマへの落とし込み方を解説します。
ブレインストーミングとは、短時間で多様なアイデアを生み出すための手法です。一般的には、批判しない、自由に考える、量を重視する、結合・発展するといった4つの原則が挙げられます。研究テーマのアイデア出しでも、最初から「そんなの現実的じゃない」と切り捨てるのではなく、まずは多くの可能性を素直に受け止めることが重要です。
ただし、全く制限のない状態でアイデアを出そうとしても、上手くいかない場合があります。そこで、研究分野や目的、対象範囲など、大まかな枠組みを設定しておくとスムーズになります。たとえば「AI技術を応用した作業療法分野の研究」「高齢者のQOL向上に関する調査研究」など、ある程度のカテゴリーやキーワードを用意しておきましょう。
実際にブレインストーミングを始めるときは、アイデアを出すスピードを重視し、質を問わず量を出すことに専念します。ホワイトボードや付箋、オンラインツールを使いながら、「すぐに思いつくもの」「多少突飛なもの」もすべて書き留めていきましょう。この段階では判断を一切加えず、とにかく数を増やすことが目的です。
アイデアを出す際、「もし~だったら?」「他の分野ではどんなアプローチがある?」など、疑問形で問いかけると新しい発想が出やすくなります。また、既存の事例を参考に「この方法を別の対象に適用したらどうなるか?」と考えるなど、別視点のアイデアを誘導すると発散が進みやすくなります。
数多くのアイデアが出たら、次はそれらを評価・統合して研究テーマとして成立させるプロセスへ移ります。ここで重要なのは選別基準をあらかじめ設定すること。たとえば「研究分野との適合度」「新規性」「実現可能性」「個人の興味や得意分野」「学術的意義」など、複数の観点から評価すると良いでしょう。
選別の過程で、似た性質やテーマのアイデア同士をグルーピングすると、新たな案が生まれることがあります。関連するアイデア同士をまとめて一つの研究テーマに昇華させると、より深みのあるアプローチが期待できるでしょう。
一見面白そうなアイデアも、先行研究を調べるとすでに類似の研究がある場合や、逆に誰も手がつけられないほど困難な領域だったというケースも考えられます。テーマを絞る前に、簡単な文献リサーチやデータベース検索を行い、「どこが未解明で、どう貢献できるのか」を確認しましょう。
テーマが面白くても、データが入手不可能だったり、研究コストや期間が膨大になったりすると実現は難しくなります。どんなデータやリソースが必要か、手法は定量か定性かなど、ある程度シミュレーションしてみて、実際に取り組めるかを冷静に判断しましょう。ここで無理のないプランを立てることが、論文完成までのモチベーション維持にも繋がります。
テーマが固まったら、いきなり大規模に研究を始めるのではなく、小規模なテストや予備調査を行うとリスクを下げられます。実験ならパイロットスタディ、アンケートなら小規模サンプルでのテスト調査を試してみると、思わぬ課題が見つかるかもしれません。
予備的な結果やフィードバックを得られたら、それを踏まえて再度アイデアを広げたり、修正したりする工程に入ります。研究は一度決めたテーマを最後まで突き進むだけでなく、行き詰まったら柔軟に方向転換したり、別の視点を取り入れたりすることも大切です。
研究テーマを見つける上でのブレインストーミングは、「アイデアを大量に出す」と「テーマとしてまとめる」のサイクルを何度か回すのがコツです。特に博士課程や長期の研究では、最初にしっかりとしたテーマ設定を行うことで、後の作業効率やモチベーション維持に大きく影響します。実行可能性や先行研究との関係性を確認しつつ、自分の興味や得意分野を活かせるテーマを探してみてください。時間や労力はかかりますが、その過程で得た気づきや視点は、研究そのものを豊かにするものとなるはずです。
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