【入門】アカデミックライティングの基本的なコツ


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 本記事では、初心者向けにアカデミックライティングの基本的なコツをわかりやすく解説していきます。アカデミックライティングは、学術的な文章を書くために必要不可欠なスキルですが、慣れないうちは難しく感じることもあるでしょう。しかし、ここで紹介するコツを実践することで、効率的にアカデミックライティングを習得することができます。

アカデミックライティングとは?

 アカデミックライティングとは、学術的な場で必要とされるライティングスキルの一種です。学術論文、学術書、レポートなど、さまざまな形式の文章が含まれます。アカデミックライティングの目的は、特定の研究課題について、事実に基づいて論理的に議論し、新しい知見や洞察を提供することです。

アカデミックライティングの基本的なコツ

明確な論文構成の重要性

 アカデミックライティングにおいて、明確な論文構成は非常に重要な要素です。読者があなたの主張を容易に理解できるよう、論理的な文章構成を心がける必要があります。一般的な論文の構成は、以下の3つの部分から成ります。


・序論:研究の背景、目的、研究課題を明確に説明する

・本論:研究方法、結果、考察を詳細に述べる

・結論:研究の主要な発見をまとめ、今後の展望を示す


 各セクションの役割を理解し、適切な情報を過不足なく含めることが大切です。また、セクション間の移り変わりにも気を配り、論文全体の一貫性を保つようにしましょう。

信頼できる情報源の選択

 説得力のあるアカデミックライティングのためには、信頼性の高い情報源を使用することが不可欠です。以下のような情報源を活用しましょう。


・査読付きの学術雑誌に掲載された論文

・学術的に書かれた書籍

・政府機関や国際機関の公式レポート


 ウェブ上の情報を参照する場合は、慎重に信頼性を見極める必要があります。著者の専門性、サイトの運営主体、情報の最新性などを確認し、適切な判断を下しましょう。

明快で簡潔な文章の書き方

 アカデミックライティングでは、読者にあなたのアイデアを正確に伝えるために、明快で簡潔な文章を心がける必要があります。以下のような点に注意しましょう。


・専門用語は必要最小限に留め、使用する際は説明を加える

・主語と述語を明確にする

・一文を短くし、複雑な構文は避ける

・適切なパラグラフにより、論旨を明確に区切る


 また、堅苦しい表現や、過度に難解な語彙の使用は控えめにしましょう。読者にとって理解しやすい文章を心がけることが大切です。


 なお、パラグラフライティングについては以下のページからどうぞ。


>>【初心者向け】パラグラフ・ライティングとは?【構成・書き方のコツの完全解説】

適切な引用と文献の使い方

 アカデミックライティングでは、先行研究を踏まえつつ、自身の主張を展開していきます。その際、他者のアイデアや研究結果を引用する必要があります。適切な引用は、以下のようなメリットがあります。


・自身の主張を裏付ける証拠を提示できる

・研究の信頼性を高めることができる

・剽窃の疑いを回避できる


 引用の際は、適切な引用スタイルに従い、引用元を明示しましょう。また、論文の最後に参考文献リストを添付することを忘れないようにしてください。

推敲とフィードバックの活用法

 優れたアカデミックライティングは、推敲とフィードバックを繰り返すことで完成度を高めていきます。以下のような点に注意して推敲を行いましょう。


・文法的誤りや誤字脱字がないか確認する

・論理的な飛躍や矛盾がないか見直す

・冗長な表現を削除し、簡潔にまとめる


 また、指導教員や同僚からの建設的なフィードバックを積極的に求めることも重要です。他者の視点から見た改善点を知ることで、自身の ライティングスキルを向上させることができるでしょう。

アカデミックライティングを習得するための練習方法

 アカデミックライティングのスキルは、継続的な練習によって向上します。以下のような方法で、日々のライティング練習を行いましょう。


・学術論文や記事を読み、構成や文体を分析する

・興味のあるトピックについて、短い文章を書いてみる

・書いた文章を読み返し、改善点を見つける

・ライティングワークショップやオンラインコースに参加する


 習得には時間がかかるかもしれませんが、諦めずに練習を重ねることが大切です。少しずつ上達していく過程を楽しみながら、アカデミックライティングのスキルアップを目指しましょう。

まとめ

 本記事では、初心者向けのアカデミックライティングの基本的なコツについて解説しました。明確な論文構成、信頼できる情報源の選択、明快で簡潔な文章、適切な引用と参考文献の使用、推敲とフィードバックの活用、継続的な練習が、アカデミックライティングを習得するための鍵となります。


 これらのコツを実践し、自身のライティングスキルを磨いていくことで、学術的な文章作成に自信を持てるようになるでしょう。アカデミックライティングは、研究者としてのキャリアを築く上で必要不可欠なスキルです。今日から実践を始め、着実にスキルアップを目指していきましょう!

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著者紹介

京極真、博士(作業療法学)、作業療法士。

Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授(役職:保健科学研究科長、人間科学部長、他)。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程修了。研究関連の著書に『セラピストのための研究論文書き方ガイド』(三輪書店)、『作業で創るエビデンス』(医学書院)、『質的研究で使えるコーディング入門ガイド』(Thriver Books)がある。その他、著書、研究論文多数あり。